游々自敵

中身のない話と虚無

叩き割った靴の破片が足に刺さって歩けない

こんにちは、S字およびクランクの合格をもらった荻野です。私に怖いものは単位を落とすことと電車の遅延と小中の同級生以外はないぞ! 私は天才なのだ。

 


シンデレラの幸せについて暇なときによく考えています。これは永遠に答えが出ない議題なんですけど、だからと言って考えないわけにはいかないというか。


皆さんご存知の通りシンデレラは継母と姉たちにいびられたシンデレラはある時魔法使いの助けを借りて不幸な少女から一変、王子と結婚という幸せの階段を駆け上がるハッピーエンドのお話です。

シンデレラは王子様と幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。大抵はそう締めくくられます。


本当に?

本当にシンデレラは幸せに暮らしたの?


本文に王子に関する記述はあまりありません。なんとなく心優しい王子なのかもしれないと推測できるような、そもそもそれもどこかの映画の影響なのか、とにかく王子がどんな人間なのか考えたことがある人はあまりいないのではないでしょうか。だって書かれてないんだから。

もし王子がDV男だったら? もし亭主関白だったら?

物語は「めでたし、めでたし」の先を語りません。当たり前です。だってその先は「存在してない」んだから。作者が書いてないんだから仕方がない。

でも「存在してない」からこそ、その先はいくらだって可能性が存在しているんです。物語の不思議なところってこういうところなのではないでしょうか。

尻切れとんぼの結末も、大団円の結末も、物語としてはそこで終わりだけど「創造」の余地はある。


っていう発想の元で私がいつも思うのは、シンデレラは魔法使いと一緒になるのが一番幸せなんじゃないかな、ってことなんですよ。

魔法使いがシンデレラに手を差し伸べたのは彼女の日頃の行いを見ていたからで、努力する彼女が報われないのがどうしても悲しくて、だからせめて自分が彼女の努力を拾い上げてあげようって思っていた——っていう背景があったとしたらシンデレラの読め方が変わってきません?


もしそれをシンデレラが知ってたとしたらガラスの靴を叩き割ってボロボロな服のまま魔法使いの元に向かったかもしれないし、知ったとしても王子の元にいるかもしれない。書かれてないから全部妄想なわけですけれども。

 

 

 

シンデレラのその先は一体どんな結末なんでしょうね。駆け上がった階段が13段だったなんて、そんな結末もありえるかもしれませんよ。

後味が悪すぎる気がしなくもないですが。