游々自敵

中身のない話と虚無

何が伏線になるかわからない

何回読んでも何も知らないし話が進むたびに何もわからなくなるワールドトリガーという漫画がある。ジャンプSQで絶賛連載中なので是非読んでほしい。アニメも2ndシーズンが絶対放映中で、Amazon primeだとなんと1stシーズンが全話観られる。すごい。

 

というわけで今回は私とワールドトリガーに纏わる奇妙な縁の話である。

 

作品自体は大学入学の頃から名前を知っていたし、なんならちょこっと人に借りて読んだり一巻も買って読んだことがあったのだが、どちらかといえばファンタジーやスポーツモノ、あとはソシャゲ畑で生きている私にとってSF作品はなんとなく馴染みにくく、結局のところハマるには至らなかった。ちなみにワールドトリガーの話を人にしたりされたりするたびに毎回「お前は太刀川慶が好き」と言われていた。みんなどうして私に詳しいんだ。

 

ワールドトリガーを積んでかれこれ二年半くらい経った今年、アニメ放映に際して全話無料公開が行われた。(多分全話だったと思う。違ったら申し訳ない。)

私はあまり電子版が得意ではないので、そうなんだ〜程度にしか思っていなかったのだが、なぜかびっくりするほど私の周りにはワートリ読者がたくさんいて、「今無料だから読んでください!!!」と迫られた。結局3巻中盤まで読んだが全部読むには至らなかった。

 

そこで知人からの連絡である。

「誕生日祝いと引越し祝いにワールドトリガー全巻送りたいのですが」

 

私「なんて?」

 

世に聞く「ワクザ(ワールドトリガーヤクザ)」とはこれか? と思った。なぜかワールドトリガー界隈は全巻送るという風潮があることは知っていたし、なんなら過去にも数度話を持ちかけられたことがあるのだが、めちゃくちゃ身近な身内からの申し出だった。そんなことある?

果たして、全巻送っていただいた。

 

さて、ここまでが前座である。

 

私は大学で主に言語学・翻訳論の分野を研究対象としていたのだが(こういうと真面目に書いていたように見えるが実際はパッパラパーなレポートと論文を作った)、そもそもこの分野を選ぶきっかけとなったのが一時期ネットで話題になったとある翻訳だった。

「わくわく動物野郎」を「MR. DISCOVERY CHANNEL」と訳した、というものである。

私はとんでもなく感銘を受けた。ちなみに今調べたら「わくわく動物野郎」も「わくわく動物ランド」という元ネタがあるらしい。すげぇや。

いや、そんな落とし込み方ある? 天才かよ。

そんなわけで私は漫画の翻訳をテーマに卒論を書いた。これは本当です。

 

 

卒論を提出し終わりしばらくしたころ、私がワールドトリガーを読む前、仲のいいフォロワーさんがある絵をリツイートした。青髪の男の人だった。顔面がめちゃくちゃ好きだったので「誰ですかその人」と聞いた。

 

「ハイレインっていう人です。作中でわくわく動物野郎って呼ばれてます!!」

 

ア゛!?!??!??!?!??!??

 

お恥ずかしいことに私はマスターディスカバリーチャンネルの元ネタがワールドトリガーだと知らなかったのだ。なぜならそこまで読む前に諦めたので。本当に家ででっかい声を出した。

 

人生は何が起こるかわからないな、と思った。全部布石ってこと? そんなことある? 身内に迅悠一でもおるんか?

そうして立派に私はワートリ読者になり、身内の誕生日に全巻送る約束を既にさせていただいているのであった。

 

 

ところでこの話、「わくわく動物野郎」の発言者が「出水公平」であるというところでオチをつけさせていただきたい。

ワールドトリガー、よろしくお願いいたします。