游々自敵

中身のない話と虚無

アタシポンコツモノカキロイド

こんにちは、風邪っぴきの荻野です。鼻詰まりが治らずこの世の全てを恨んでいます。喉がおかしいので炭酸が飲めるようになってしまいました。わたしのナイーブな喉を返してくれ。

 


日経新聞の朝刊、一番後ろのページの「私の履歴書」を今月担当しているのがたまたま私が愛してやまない作家でした。悲鳴をあげて二日分の新聞を漁り、切り抜いたのでスクラップブックを作るつもりです。


阿刀田高は私がこの19年の人生で最も強く影響を受けた作家です。とはいえ全作品を読んだわけではなく、ファンと名乗るのは烏滸がましいような気もするのですが、とにかく私は彼の各作品が好きで好きでたまらないのです。

去年の夏、ようやく、長年探し続けたナポレオン狂を手に入れることができました。表題作を読んで電車内にもかかわらず爪先をぎゅっと握り込み、本を持つ手にも力が入ってしまいました。阿刀田高はやっぱり最高なのです。大好きな文章でした。


彼の文章に触れたのは母が私に彼の著作を譲ってくれたのがきっかけです。15冊ほどの文庫本、来る日も来る日も読み続けました。読み終わると何度も何度も読み返しました。私の性格が歪んだのは多分ここからだと思います。しょうがないね。ブラックジョークを中学生から読み続けると性格が歪みます。気をつけようね。


1つ悲しいことがあるといえば、読み込みすぎた結果、新しい作品を読んでいても途中で「こんなオチだろうな」と予想ができるようになってきてしまったことです。そしてさらに悲しいことに九割の確率でそれは当たっています。

それでも私は彼の文章が好きだし、彼の文章を参考にし続けるし、尊敬する作家を挙げろといわれたら一番最初に彼の名前を挙げるでしょう。


創作として文章を書く人は、誰しも一人、あるいは一つは影響を受けた作家や作品が存在するんじゃないでしょうか。それはとても素敵なことだと思います。

それは昔出会った作品かもしれないし、つい昨日本屋で見かけた本かもしれない。それに一つとは限らない。

現に私は高校生の時に読んだ桜庭一樹の「私の男」を読了したときあまりに素晴らしくてショックを受けましたし、大学生になってから品田遊の「止まりだしたら走らない」を読み終えたときには膝を打って部屋を走り回りたくなるほどでした。この二人の作品もまた今の私の文章をつくっているといっても過言ではありません。


それでも、一番って特別ですよね。

新刊が出たらすぐに買うわけでもないし、いつも情報をかき集めているわけでもないけれど、手に入れば心の底から嬉しいし新聞の記事を書いていたら丁寧に切り取りたくなる。好きってそういうことじゃない?

 

 

私の好きな作家はいつだって最強だし、その最強の作家に影響を受けてる私だって最強なんです。誰だって好きな人は最強だからね。だれかのこと好きな誰かも同じように最強なんです。

 

だからお願いなので阿刀田高の作品を読んでくれ。